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桜花楼の恋

第11章 心の架け橋

河「俺 決めた、どんな手を使ってでも護ってみせる」

戸「河合」

河「伝(つて)がなきゃ作ればいいだけの事だろ」



ダッ!



戸「どこへ行く気?」

河「ちょっと思いついた事があってよ」

戸「なにそれ?」

河「はっきりしたら教える取り合えず今夜は代わりに五関か塚ちゃんをよこすから、またなトッツー」

戸「えっ、ちょねぇーっ」



ダダッ!



千「どうしたのかなぁ河合の若旦那?」

ニ「さぁ」

戸「‥‥‥」



意地でも護り抜いてやるぜ、今まで俺は自分が男色である事を身内や店のものには黙って来た。

やはり、偏見な目で見られたくなかったのもある。

だが、それって初めから決めつけていただけなんじゃないのかな?

理解して貰えないと。

男色じゃない宏光はそんな眼で俺らを見なかったじゃん。

逃げていたのは自分、勇気がなく一歩踏み出せずにいたのも。

それでトッツーを身請けするだなんてよく言えたもんさ。

隠していたら、連れて行っても肩身の狭い思いをさせるだけだったのによ。

そんな事にも気づかず、してやるなんて偉そうなこと笑っちまう。

堂々と、そう太輔みたいに伴侶として迎え入れるつもりでいなきゃなんの意味もない。

その手始めとして、まずしなければならない事それは。

全てをバラしたのち、周囲の理解を得る努力をするってことだ。

そうする事で、もしかしたら新たな協力者が出で来るかもしれないから。

何故だかふと、このとき俺はそう思ったんだ。

商売柄、自慢じゃないが顔は広い上手く行けばって。

宏光を助けたい、そんな思いから咄嗟的に浮かんだ考えだったとしても。

いろんな意味で太輔と宏光は、俺達に前へ踏み出す勇気をくれていたんだってことに気づいたのも。

この後、進む先に春の兆しが見えて来たときだった。

俺とトッツーの上に━




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