桜花楼の恋
第12章 隠された胸の内
・藤ヶ谷side
丸山「ちょっと待って下さい無理ですわ、すぐバレますよって」
それが、例え1日でも2日でも。
藤「別に構わないよ」
少しでも長く北山と笑って過ごせれば、それでいい。
丸山「よう考えてみ体型だけでなく言葉遣いまで違うんやで」
だから、いいって言ってるじゃん。
玉「ガヤ、わたには内緒で行くつもり」
藤「どんな手を使ってもこれだけは逃れる事ができない、だったら最後の最後まで我が侭を通させてくれ」
玉「最後だなんて言わないでまだ望みはある、だから」
藤「タマ」
玉「巻き込みたくないんでしょ、わたを」
藤「あぁ今度ばかりは切腹なんて事にもなりかねないから」
玉「分かった後は俺に任せて」
藤「頼んだよ」
とうとう俺は、決行を決心する。
尾張へ向かう道のりは長い、その間に機会を狙って丸と交代し一目散に桜花楼へ。
無謀な謀(はかりごと)、そんなの言われなくても分かっているさ。
わたが知ったら反対するだろう事も、がそれでも俺は。
横「太輔、尾張へ戻る事になったそうだね」
藤「あぁ」
横「あとの事は心配しないで、こっちの様子はちくいち報告するから」
藤「悪い」
このまま会わずに帰るなんて出来るわけがない、その思いから。
家臣「お籠の用意が出来ました」
藤「今、行く」
家臣「はっ」
単身、行動へ移す事にしたんだ。
山本「私も共に参ります」
藤「いいの」
山本「少しはお役に立てるかと」
藤「礼を言う」
山本「とんでもございません恐れ多いことを」
亮太が丸の補佐をしてくれるなら、少しは時間稼ぎが出来るかもしれない。
マジ、助かる…フッ
父「この父の目が届かぬと思い羽を伸ばすのではないぞ」
藤「分かっております」
母「年が明けたなら母も参りますゆえ身体にはくれぐれも」
藤「母上、心配いりません子供ではないのですから」
そして━
「下にぃー下に下にぃー下に」
そっと籠の窓を細く開けると、ひれ伏している中に。
ハッ、郁人!
その先には五関、塚ちゃんの姿まで見え続けてニカと。
必ず戻って来るから待っていてくれ、心の中でそう呟き行列は静かに江戸の街を去って行ったんだ。
寒空の中、揺るぎなき思いを胸に秘め。
丸山「ちょっと待って下さい無理ですわ、すぐバレますよって」
それが、例え1日でも2日でも。
藤「別に構わないよ」
少しでも長く北山と笑って過ごせれば、それでいい。
丸山「よう考えてみ体型だけでなく言葉遣いまで違うんやで」
だから、いいって言ってるじゃん。
玉「ガヤ、わたには内緒で行くつもり」
藤「どんな手を使ってもこれだけは逃れる事ができない、だったら最後の最後まで我が侭を通させてくれ」
玉「最後だなんて言わないでまだ望みはある、だから」
藤「タマ」
玉「巻き込みたくないんでしょ、わたを」
藤「あぁ今度ばかりは切腹なんて事にもなりかねないから」
玉「分かった後は俺に任せて」
藤「頼んだよ」
とうとう俺は、決行を決心する。
尾張へ向かう道のりは長い、その間に機会を狙って丸と交代し一目散に桜花楼へ。
無謀な謀(はかりごと)、そんなの言われなくても分かっているさ。
わたが知ったら反対するだろう事も、がそれでも俺は。
横「太輔、尾張へ戻る事になったそうだね」
藤「あぁ」
横「あとの事は心配しないで、こっちの様子はちくいち報告するから」
藤「悪い」
このまま会わずに帰るなんて出来るわけがない、その思いから。
家臣「お籠の用意が出来ました」
藤「今、行く」
家臣「はっ」
単身、行動へ移す事にしたんだ。
山本「私も共に参ります」
藤「いいの」
山本「少しはお役に立てるかと」
藤「礼を言う」
山本「とんでもございません恐れ多いことを」
亮太が丸の補佐をしてくれるなら、少しは時間稼ぎが出来るかもしれない。
マジ、助かる…フッ
父「この父の目が届かぬと思い羽を伸ばすのではないぞ」
藤「分かっております」
母「年が明けたなら母も参りますゆえ身体にはくれぐれも」
藤「母上、心配いりません子供ではないのですから」
そして━
「下にぃー下に下にぃー下に」
そっと籠の窓を細く開けると、ひれ伏している中に。
ハッ、郁人!
その先には五関、塚ちゃんの姿まで見え続けてニカと。
必ず戻って来るから待っていてくれ、心の中でそう呟き行列は静かに江戸の街を去って行ったんだ。
寒空の中、揺るぎなき思いを胸に秘め。