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桜花楼の恋

第14章 新しい仲間

・北山side

大晦日の夜━



北「ふっ、藤ヶ谷、あっ」

藤「北山、くっ」



いつにも増して激しく攻めて来る藤ヶ谷に、俺は別れが近いことを感じていた。

“忘れないでくれ”

そう身体ごと言っているのが分かる。

んなわけねぇだろ。



北「あっ、あぁーっ」

藤「もっと、もっと乱れてしまえ、ほらもっと」

北「ひっ、あぁ、んあっ」



絶対に、あり得ない話しだわ。



藤「俺以外お前をここまで感じさせてやれる奴はいないんだから」

北「うっ、あっ、あぁ」



あぁ、お前だけさ。



藤「だから、だから…クッ」

北「…ギュッ‥待ってる…心配しなくても‥信じて」

藤「ひろ」

北「ふっ、ニコッ」

藤「チュッ」

北「んんっ」



たとえ1年、2年たとうが俺はお前だけを想っているから。

それから、除夜の鐘が鳴り響き。



藤「夜が明けていく」

北「んだな」



新しい年を象徴する初日の出が昇る中、俺達は寄り添いながら外を見つめていた。

もう言葉を発する事もせず、その腕に抱きつき肩に顔を乗せると。

藤ヶ谷は、自然と俺の顎へ手を添えて口づけをし。

いい年にしよう離れていても心は1つ、そうだろ?

いつか、この景色を懐かしく思い起こすときが来るのかもしれない。

3日後━



藤「じゃ行って来る」

北「藤ヶ谷」

藤「北山、これを持っといてくれないか」

北「なんでぇ、お守り?」

藤「俺のヘソの緒が入っている、フッ」

北「‥‥っ」

藤「一緒に匂い袋も」

北「この匂い」



それは、藤ヶ谷の身体からいつも漂ってくる香の香り。



北「おまっ」

藤「こんな事しか出来ないけど、フッ」

北「そんな事はない、ありがとすっげぇ嬉しい」

藤「そっ」



ギュッと、俺を抱きしめる藤ヶ谷。




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