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桜花楼の恋

第15章 希望を胸に

・戸塚side

藤ヶ谷が尾張へ帰ってから数日後、それは突然なんの前触れもなくやって来る。



番頭「戸塚太夫、入りますよ」



かけ声と同時に、イキなり障子が開き。



戸「なっ、なに?」

橋「うわっ、驚いたぁ!?」

番頭「おくつろぎのところ誠に申し訳ありません五関の若旦那」

五「何かあったの?」

番頭「はい、それが」



尾張の屋敷から使いのものが来てるって?



戸「どういうこと」

番頭「当郭、始まって以来の一大事です」

五「それって、もしかしてこの間のことが原因?」

番頭「そのようで参りました、ハァ」

戸「なんて言って来たわけ俺にも関係していることだよね?」

番頭「はい戸塚太夫を今すぐ郭から追い出せと」

戸「えっ」



そんな、急に言われても。



番頭「でなければ店を閉じろとまで言われているようでして」

五「権力を嵩に脅しを掛けて来たってことか、チッ」

番頭「そうなります」

五「横尾は?あいつがこんなこと許すわけ」

番頭「先様は聞くところによれば殿さまの怒りをかい謹慎されているらしいのです」

五「なっ」

戸「本当に!?」



一体なにがあったっていうんだよ。

と、そこへ。



山本「戸塚太夫」

戸「亮太」

山本「裕太さまから文を預かって参りました」




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