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桜花楼の恋

第17章 過去の幻影

屋良「よく言うよ俺の手で股間をこんなに濡らしてるやつが」

山本「んあっ、はっ」

屋良「どんなに否定したってお前に女の喜びを教えてやったのはこの俺だ、ズブッ」

山本「うああっ、やぁーっ、無理矢理で…人の心は…動かせない」

屋良「そう言って2年前も俺の前から去って行ったよな」

山本「あっはっ、ああっ」

屋良「が、しかし今回はそうはいかない」

山本「ハッ…裕太さま‥裕太さまに手出しは…はあん」

屋良「あいつが男とチチクリ合っているのを知っててどうしてそこまで入れ込む」

山本「んああっ、自分、に、とっての、光り、だから」

屋良「‥‥っ」

山本「屋良にぃ、だって、分かってる、はずだよ」

屋良「黙れ、ガンガンガン」

山本「ひっ、あぁーっ」



何を?



山本「くっ…裕太‥さまは…心を‥救ってくれた…あの日‥忍びの里が…豊臣の‥残党に…襲われた…とき‥ガクン」



亮太!



屋良「あぁそれからだったよなお前が俺を避けるようになったのは、お亮」



それが、本当の名前なんだね。

と、その時。



屋良「そこにいるんだろ尾張の若君さんよ」



気づいていたの!?その上で亮太を。



屋良「さぁどうする俺が憎いか、だったら斬ってもいいぜ」



なっ!?



屋良「ついでに教えてやろう里に残党を手引きしたのも俺だ」



どうしてそんな事を?



屋良「そのせいで、こいつの親は両方とも死んでしまった」



先祖の恨み?



屋良「約束したんだ、あいつら殺しはしないって」

玉「‥‥っ」

屋良「ただ徳川の足をもいでやるだけだって、なのに…破りやがった」



この人は━



屋良「大名なんて徳川だろうが豊臣だろうがみな同じ忍びを道具にしか思っちゃいない」



違う、そんな事はない。



屋良「俺はお亮だけはそんな道具にしたくはなかった、だから こいつの初めてを奪い」



やり方は間違っていても。



屋良「忍びの頭領の座が欲しかったわけじゃない」



想い合っていたのに歴史が2人の関係を狂わしてしまったんだね。

本心が伝わらないまま、すれ違い離ればなれになり希望も夢もなくし。

なら俺が、また結び合わせてあげるよ。

光りと言うなら亮太、君にとって俺は希望なんだろうから。

前を向き歩いてく━




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