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桜花楼の恋

第17章 過去の幻影

・玉森side

ここへ来て数日が経つ。



千「なぁ俺達いつまでここにいなきゃならないの」



さらわれた翌日、小屋の窓から外を見たら。



宮「えっ、なに」



連れて来られた時は目隠しをされ着いたのが夜だったこともあり。



父「何処かの集落のようだが」



そこがどんな場所なのか全く把握できないでいたんだ。



母「本当ですね」



それだけに目の中へ飛び込んで来た光景に驚いてしまい。



山本「豊臣方に加勢した忍びの末裔を集め作ったのでしょう」



住んでいる者たちの中には子供までいてビックリしたのなんの。



丸山「前に聞いた事がある徳川方の忍びは戦国の世の後も待遇が良かったのに比べ豊臣方は悲惨な扱いやったと」

玉「でも亮太はあの人のこと同じ里の者だって」

山本「屋良にぃの父親は徳川方の忍びだったんです」

玉「そういう事」

宮「よく一緒になれたね」

山本「かなり反対はされたそうですが」



想いを貫き通し、あの人が生まれたってことは途中までは皆と上手くやっていた事になる。

それが何故あんなふうに?



屋良「亮太、話があるちょっとこっちへ来い」



と、そこへ呼びに来た頭の姿を見て顔を曇らせる亮太この2人なにかあるみたい。



玉「俺、行って来る」

宮「タマ?」

丸山「勝手に動いたらアカンて」



集落の奥にある一軒の家の中、そこに2人は入って行き俺はそっと窓から中の様子を伺った。

すると━



屋良「まだ続ける気か」

山本「言ったはず、やめないって」

屋良「偽り続けて何の意味がある」

山本「屋良にぃには分からないよ先祖の幻影に縛られいつまで経っても前に進めないでいる屋良にぃには」

屋良「なに!」



亮太…



屋良「そういうお前はなに身分違いの想いに心を囚われ男のなりをし」



ちょ、待って!まさか!?



屋良「そんなにしてまで、あいつの傍にいたいの」



嘘でしょ?



屋良「前に進んでいないのはどっち、グイッ」

山本「放して屋良にぃ、放っ」

屋「チュッ」

山「んんっ…ん‥んっ」



あの亮太が、俺の前で女になってく。



山本「やっ、いやぁ」

屋良「俺のものになれと言ったはず」

山本「やだっ‥屋良にぃは本気で‥惚れてるわけじゃ‥ないから」



えっ━



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