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桜花楼の恋

第19章 優しさと温もり

・藤ヶ谷side

それは、突然の知らせだった。



丸山「若さん若さーん」

藤「丸おまえ忍者なんだから叫ぶほどの距離には出て来ないだろ」

丸山「すんまへん千賀の坊ちゃんの真似をしてみとうて」



しなくていいから、ハァ



藤「で、お前がここにいるって事は」

丸山「来ました来ましたで」

藤「はっ?」



もっと分かり易く話せ、つうかどうして加賀じゃなく尾張へ来ているんだ?



丸山「いろいろありましたんや亮太がな」

藤「いい」

丸山「へっ?」

藤「話しがグダグタと長くなりそうだから要領よく重点だけを言え」

丸山「そんなぁ聞いて下さいよ」

藤「やぁーだ」

丸山「若さーん」

藤「しつこい嫌だと言ってるだろ」

丸山「うっ、冷たいなぁーもう」



ブツブツそこで何か言ってるんじゃないよ。



丸山「こうやっつけてぇとう、きゃあ丸ちゃん素敵カッコいいわぁーって言われたんやで」



はいはい、クスッ…その数日後。



「裕太さま尾張の城へお戻りでございます」



ドンドンドン!



殿「無事で何よりだった」

玉「ご心配をお掛けし申し訳ありませんでした父上、母上」

母「お怪我は身体の方は大丈夫ですか」

玉「はい」

母「ほんに良かった」

藤「ふっ」

殿「まずは旅の疲れを癒すがよい」

玉「はっ」



話しはそれから、父上の眼がそう言っているのが分かる。



玉「ガヤ、んふふっ」

藤「暫く見ないうちに逞しくなったんじゃない」

玉「聞いてくれる何があったか」

藤「もちろん」



亮太が!?なるほど、それで。



玉「会って欲しいんだ」

藤「その屋良って奴にか」

玉「うん向こうも会いたがっている」

藤「分かった」



一座の皆は、城下の宿に泊まっていると聞いた俺は。



殿「礼にとな」

藤「どんな事情であれここまで連れて来てくれたのです筋を通すのが武士ってもん」

殿「一理ある、よし行って来るがよい」

藤「有り難うございます」



外へ出ることを許され。



藤「うっわー久々の空気」

丸山「こっちやでぇ」



窮屈な城にいると息が詰まるからな。



千「あっ、ガヤさんだぁーダダダッ」

藤「健永、元気にしてた」

千「ガヤさーん会いたかったよぉ」




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