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桜花楼の恋

第21章 最後の試練

・戸塚side

尾張の城内に、太鼓の音が高らかに鳴り響く。



「加賀の若君 和也さま、その妹君の宏姫さま おなーりぃ」



ドンドンドン!



家老「お初にお目に掛かります宏姫さま家老を務めさせて頂いております横尾忠長と申します」



って事は、この人が。



家老「江戸からの慣れぬ旅、長い道のりをこの尾張までようこそおいでなされました」



横尾の父上。



家老「さぞかし、お疲れになりました事でしょう如何ですかな尾張は」

北「チラッ」

亀「コクン」

北「よい国かと」

家老「有り難うございます」

亀「で、尾張殿と太輔殿は」

家老「今、暫くお待ちを」



しかし凄いなぁ、さすがは徳川御三家筆頭だけの事はある。



河「なっ、あの金屏風 高そ売ったら凄い値がつくんだろうな」

戸「河合、静かに」

五「俺達の正体がバレでもしたら、それこそ大騒ぎだ」

河「あぁ、悪い ハハッ」



もう根っからの商売人なんだから、クスッ

北山の傍には、あの5人の忍び衆がベッタリとくっついていて。

二階堂は…



河「あいつ、一番いいところへ行きやがって」

戸「妬かないの、フフッ」

河「ちっ」

五「クスッ」



若君のお付きとしてその近く北山のほうにはハッシーがいて、そこへ。



「殿様、御台様、若君さまのおなりでございます」



来た。



五「ちょ郁人、頭」

河「うおっち」



五関に突つかれ慌てて頭を下げる河合、北山たちは下座へと移り代わりに。



殿「久しゅうの和也殿、暫く見ぬうちまた一段と立派になられた」

亀「いえ」

奥「ほんに加賀の殿もさぞかし安心しておられることでしょう、ニコッ」

亀「はっ」



その間、北山は俯いたまま顔を見せず。




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