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桜花楼の恋

第22章 婚礼の日

・河合side

いきなりトッツーを訪ねて来た尾張の奥方さま、その意図とは?



奥「教えて下さいませんか2人の馴れ初めを何故に太輔はあのような嘘をつき和也殿や、あなた方を巻き込んでまでこのような大それた芝居をしたのです」



巻き込まれたわけじゃない。



河「奥方さんよ、あんたまずそこから間違えてるわ」

旦那「河合の若旦那、なんという言葉遣いを」

奥「いいのです、ニコッ」

旦那「しかし」

奥「続けて下さい」

五「郁人の言う通りさ」

千「俺らは頼まれて手を貸したんじゃない」

旦那「けっ、健永」

橋「みんな大好きなんだ2人のことが」

塚「俺達は自分からそうすることに決めたのさ」

宮「2人を添わせてあげたい、それが皆の願い」

戸「北山は、あいつはずっと辛さに耐えて来たんです」

奥「北山、それが姫の本当の名なのですね?」

河「北山宏光、もとは江戸の貧しい家の息子だよ」

五「藤ヶ谷とは幼いとき滝の所で出会った」

奥「‥‥っ」



すると途端、奥方の表情が一瞬にして変わってさ。



奥「もしや藤の花が咲いているという」

橋「そう」

河「あんた知ってたのか?なら話しは早いじゃん」

五「崖から落ちた藤ヶ谷を北山が身を呈して助けた」

戸「2人はそうして出会ったんです」

塚「先に一目惚れしたのは藤ヶ谷のほう」

千「宏光は借金の肩に郭へと売られ」

宮「再び巡り会い結ばれたってわけ、ニコッ」

奥「そう、そういう事だったのですね宏姫が太輔の命の恩人」



あぁ、だから!だからよ。




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