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・北山side

それは、雪に子供ができたと知らされてから暫く経った頃。



北「はぁ…」

奥「来ないですね太輔」

北「おっ、俺は別に」

奥「無理しなくてもいいのですよ何回目です溜め息をつくのは、ｸｽｯ」

北「ちっ」

奥「ふふふっ、姫は分かりやすい性格をしていますね」

北「それ誉めてるの？」

奥「いいえ、ﾆｺｯ」

北「やな性格だなぁ」

奥「好きでしょ？太輔に似て」

北「似た者親子」

奥「えぇ、ｸｽｯ」



だから藤ヶ谷もあんな感じなんだ、んっ？待てよ。



北「ふっ」

奥「どうかしました？」

北「いや」



血は繋がってなくとも、似るもんなんだなと思ってさ不思議だ。

と、そのとき。



京本「お待ち下さい」

安井「今は御台さまと」

殿「ならよかろう」

沙希「お人払いされていますので今、少し」

殿「急用じゃ、そこをどけ」



あの声は…



奥「何事です騒々しい」

京本「申し訳ありません」

安井「殿が」

殿「邪魔をするぞ」

奥「殿、如何なされたのです突然に？」

殿「御台、今日は世の好きなようにさせて貰う」

奥「えっ」



が、その言葉を聞き嫌な予感が走る。



殿「宏姫」

北「はい」

殿「正直に申せ、そちは男であろう」

北「‥‥っ」

奥「殿！」

殿「御台は黙っておれ世は宏姫に聞いておる」



くっ、バレたか。

でなければ、尾張の殿ともあろう人が直球で言ってくるわけがない。