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・千賀side

今日も、ニカは落ち込んでいた。



ニ「ったくなんなんだよ、あの太輔って侍はさぁ」

千「そう言われても」



ガヤさんは、いい人だぜ。



ニ「片時もミツから離れないんじゃ俺、傍に近づく事も出来ないし」



と、そのとき。



千「あれガヤさんだ独りでどこに行くんだろう」



慌てたように中庭を歩いてく姿を見てボソッと呟いたら。



ニ「千賀、後をつけるぞ」

千「へっ？」

ニ「あいつが何処の何者なのかを知る絶好の機会かもしれない」

千「えぇっ!?ちょ、ニカ」



すると、その先の井戸の所にもう１人どこかの若様みたいな人がいてさ。



玉「ガヤ」

藤「タマ、どうしてここに」

玉「帰るよ、グイッ」

藤「まっ、待て！いきなりそう言われても」

玉「お遊びは終わり」

藤「別に俺は」



なに？もしかして揉めてる。



玉「母上が心配している」

藤「‥‥っ」

玉「俺じゃダメなんだ実の子のガヤじゃないと」



母…上？



ニ「なぁ千賀おまえ確かあいつには弟がいるって言ってたよな」

千「あ、うん」



あれがそう？



玉「俺もガヤがいないと寂しいし」

藤「ごめん」

玉「それに例の話しだってそろそろ、はっきりする頃だしさ」

藤「その話しは」

玉「俺達でどうにか出来ることじゃないだろ決められたら断れない」

藤「くっ」



どうしたんだろう？あんなに辛そうな顔をするの初めて見た。



玉「もういいじゃん、ねっどっちにしても城へは連れて帰れないんだから」



ガヤさんは、いつも笑っていたし。



ニ「しっ、城おぉーっ」

千「ニカ、うるさい」

ニ「でも今、城って言った、あいつ殿様になれるほどの奴だったのか」


知らないよ、そんなのってか俺は聞き流していたんだその言葉を。

ガヤさんばかりが気になってしまい。