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桜花楼の恋

第5章 広がる不安

千「もう1つだけ、お願いしてもいい?」

宮「なに?ニコッ」

千「それまで我慢するから、くっ…口にして‥カァーッ」

宮「クスッ、じゃあこっちを向いてごらん」



チュッ!



千「んんっ」



宮田、大好き、もっともっと強くギュッとしがみついたら。



宮「千ちゃん今度は口を開けてみな?ニコッ」

千「んっ…あーあふっ‥」

宮「クチュクチュ」

千「ん…ぁ‥ビクン」



凄い、凄いよ宮田。

それから、仕事があるからと宮田は昼過ぎに帰って行き。

俺は━



橋「坊ちゃん?」

千「ボーッ」

橋「坊ちゃあーん!」

千「‥‥‥」

橋「ダメだ、こりゃ」

五「どうしたんだ千賀は」

橋「知らない、さっきからずっとこんな感じ」

五「ふーん、クスッ」



そして。



北「んだか、あいつ帰ってしまったんか」

番頭「月いっぱいまでは金を貰っている」

北「んっ?」

番頭「だがな宏光それ以降なければ他の客を取って貰うからお前もそのつもりでいろ」

北「‥‥‥」



そんな不安そうな顔をしないで。



北「他の客…か‥」



大丈夫、ガヤさんは必ず帰ってくるから。

そう信じたいんだ俺も、だってあんなにも宏光のことが大好きだったんだし

惚れた奴ほっとくわけないもん。

しかし俺や宮田、五関の若旦那、トッツーに塚ちゃん。

河合の若旦那、ハッシーまでもが心配しながらその行方を見守る中

相変わらず、ガヤさんが何処の若様なのかも分からないまま。

無情にも、日にちだけが過ぎて行く。

そして月替わりまで後3日と押し迫った日。

突然あのとき一緒にいた、若様が郭へとやって来たんだ。

宏光に会いに━




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