こんなとこじゃイヤ!
第3章 再会
「着いたよ…真琴くん…」
「ふぇ!?」
耳もとで囁かれる優しい声。
どうやら俺は爆睡してたらしい。口端に涎まで垂らして…
「ごめんなさい、俺…寝ちゃて!」
「気にしないで?真琴くんの寝顔見れてラッキーだったし」
どこまでも紳士的な冬樹さんは、俺を女の子みたいにエスコートして、車のドアを開けてくれた。
「うわぁ…っ」
見あげれば…
そこは高級マンションで、俺は歓喜の声をあげた。
最上階が冬樹さんの部屋。
物凄く夜景が綺麗で、
バカみたいにハシャぐ俺を、クスリと冬樹さんは笑った。
ガキくさかったかなて、ちょっとだけ凹んだりして。
「フフ、真琴くんが喜んでくれて嬉しいよ」
「すごいです!俺もこんなとこで住んでみたいっ!!」
「だったら、一緒に住む?」
「えっ…」
ボンって効果音が鳴るくらい顔が真っ赤になって、ゆでだこ状態な俺…。
落ち着けて、俺の心臓―――!!