こんなとこじゃイヤ!
第4章 真実
冬樹さんは大人で余裕で、なんだか俺だけバカみたいに緊張して…
高級マンションなだけあって、お風呂はかなり広くて、ジャグチーなんて普通にあって本当にすごい。
「俺、ひとりで入るの勿体ないなぁ…」
一緒に入りたかったな・・・
なんて、ひとり妄想して悶える自分が恥ずかしいわけで…
お風呂からあがると真新しい服が用意されていて、腕を通すと結構大きかった。
「冬樹さ~ん」
やけに広いだけじゃなくて部屋数も多い。
探しても冬樹さんは見当たらなくて、手当たり次第に部屋のドアを開ける。
ある部屋のドアを開けると、目のまえの光景に驚愕した。
―――頭が真っ白になる
まるで、鈍器で頭を殴られたような衝撃に背中から嫌な汗が零れ落ちた。
「どうして……冬樹さん」
ガタガタと震える身体を、両腕で抱きしめる。
信じたくなかった…
嘘だと言って欲しかった………
どうしてと、頭のなかをグルグルとそれだけが駆けめぐる…
俺のことを知っていたのも、電車に乗っていたことも、
全部…、全部…、
あのひとがストーカーだったからだ。