嘘つきな唇
第1章 *瞳の誘惑*
「……さあ♪……
なんでも愚痴っていいよ♪」
……なんでもってね……
初対面の人なのにいいのかしら?
……なんて思ったのは……
最初の5分だけ。
甘いカクテルの酔いも、
手伝って……
私はそれから延々と、
ルウに愚痴りまくって居た。
……ルウは……
そんな私を優しい瞳で、
見つめてくれてずっと私の、
愚痴を聞いてくれて居た。
「……ねえ!……
酷いでしょ?そこの、
イケメンくん!」
「……あちゃー!……
ルウごめんねー!雪奈、
だいぶデキ上がっちゃった~」
「……ハハ……みたいだね♪
俺なら大丈夫だよ!
慣れてるから♪」
……チャララ~♪……
「……ん?……未来ちゃん?
携帯鳴ってるよ♪」
「……ヤバッ!……彼氏からだ!
どうしよ、行かなきゃ!」
「……なんだ……未来ちゃん。
彼氏居たんだ?残念!」
「……またまたあ!……
皆に行ってるんでしょ~?」
「……酷いな!……
そんな事無いよ!
あ、早く未来ちゃん、
電話出なきゃ!」
「……あ、うん!……」
「……もしもし?……あ、はい。
解ったー♪」
「彼氏何だって?」
「……ごめんね、ルウくん……
あたし行かないと……」
「……そっか……
で、この子は?~」
「……困ったな……」