嘘つきな唇
第4章 *逃避行*
『……ルウ泣かないで……』
……その時俺は雪奈に抱き締められた……
『……雪奈……俺……』
『……ルウ……大丈夫よ……
きっと貴方の思う通りに……』
『……俺……
なんか情けないな。こんなに俺、
弱かったなんて……』
『……ルウは……
弱くなんか無いわ!私が着いてるわ……
だから安心して?……』
『……雪奈……有難う。
ほんとに雪奈が決めていいから……』
『……ルウ……解ったわ……
でも今この時間は忘れましょう?
今夜ぐらいはせめて二人で、
楽しく過ごしましょうよ?……』
『ああそうだねごめん雪奈……
お腹空いたよな?』
『……ふふ……ちょっとね♪
こんな時でも、
空腹には勝て無いものなのね♪』
『……雪奈……無理無いよ。
雪奈は働いて来たんだから、
飯どうする…?
ちょっとしたレストラン入ってるみたい♪
食べに行く…?』
『……そうね……そうしましょ♪』
『……雪奈……
なんか強くなったな?』
『……え?……そうかしら?……』
『……ああ……』
『……ふふ……行きましょ♪』
……雪奈は……
俺がこんなだからわざと明るくしてる?……
……俺は……そう感じた……