嘘つきな唇
第4章 *逃避行*
『……雪奈ん家……めっちゃ楽しみ♪』
『初めてね♪ルウが来るの♪』
『……うん♪……
ここからだとどんくらい?』
『そうね、ここからだと、
30分ぐらいで多分行けるわ。
あ、ルウ…?
途中でスーパー寄ってもいいかしら?』
『……もちろん……食材?雪奈?』
『……ええ……ルウは何食べたい?』
『……んーッ……
たまには煮物系食べたいかも♪』
『……いいわね……任せて♪』
『……ヤッタ!……
雪奈の手料理とか、俺、最高に幸せ♪』
『……ルウ……有難う♪
ルウの味覚に合うといいけど……』
『……雪奈が……
作る奴ならなんでも美味いに、
決まってるよ♪』
『そんな、が、頑張らなくっちゃ!』
『フフッ♪あ、何処で買うの?』
『……じゃあ……
もう少しした所のスーパーでいいわ♪』
『……OK♪……』
……私は……
久し振りにルウと過ごす、
ゆったりと流れている二人の時間に……
……心が……
とても満ち足りていた……