嘘つきな唇
第4章 *逃避行*
……俺は……
昼間ネットで店を何軒か調べて置いた。
ここは雑誌にも載る程の、
有名な新宿のアクセサリー店だ。
……俺は雪奈に……
愛の形を贈りたかった……
……雪奈に指輪を贈りたかったんだ……
「いらっしゃいませ。何かお探しですか?」
「……あ、ええ指輪を……」
「そうですか?
大事な方への贈り物?♪」
「……はい……
とても大切な恋人への……」
「……あらまあ♪……羨ましいわ♪」
「……イヤ、そんな……」
「ではペアリングはいかがですか?」
「え、ペアリング?」
「……ええ……とても素敵ですよ♪
ご希望でしたらお名前も、
お入れします♪」
「え、名前も入れられるの?」
「……はい♪……」
「……じゃあ……ペアリング♪
一緒に選んで貰えます?」
「……喜んで♪……」
……俺は……
雪奈の喜ぶ顔が早く見たくなった♪
「どんな感じのお嬢さんかしら?」
「……とても綺麗な人です……
優しくて白がとても似合う♪」
「あらあら♪大好きなんですね♪」
「……あっ、すみません。つい……」
「……いいえ♪……
じゃあピンクゴールドはいかがですか?
とても可愛いらしいお嬢さんに、
ピッタリですよ♪」
……ピンクゴールド?……
……俺は……
聞いた事の無い指輪を見たら、
その指輪は光輝いて居た……