嘘つきな唇
第4章 *逃避行*
「……いかがですか?……」
「あ、はい。とても綺麗です♪
あ、でも男でピンク?……」
「男の方には色違いがございます。
パープルかブルーの2種類選べます。」
「ああ、そうですか♪どっちがいいかな?……」
「お客様とても綺麗な、
顔だちなので♪パープルのが、
よくお似合いですよ♪」
「そうですか♪
あ、値段2つで幾らですか?」
「こちらの方1つ1万2千円で、
お名前入れると千円+ですが、
よろしいですか?」
「……あ、はい……
じゃあそれで名前入れて下さい♪」
「有り難うございます。
ではこちらにお名前ご記入下さい。」
「あの、何文字まで入るの?」
「そうですね。
2ケタにしていいなら結構入ります♪
10文字までは入るかな♪」
「……有り難う♪……」
……俺はシンプルに……
『雪奈♡ルウforever』
と、記入した♪
「これで入るかな?」
「はい。大丈夫ですよ♪
15分程お待ち頂けますか?」
「はい。有り難うございます!」
……雪奈……今は安物でごめん……
……でもこれが俺の……
今の精一杯の愛の形なんだ……
俺はそわそわしながら、
指輪の仕上がりを待った♪
そして15分後指輪が出来上がった♪
「お待たせしました♪
こちらでございます。いかがですか?」
「……ああ♪……
とっても素敵です。有り難う♪」
「いいえ。
有り難うございました♪
彼女さんとお幸せに♪」
「有り難う♪」
……俺は……
指輪を手に取ると車に乗り、
雪奈のマンションへと急いだ♪