嘘つきな唇
第1章 *瞳の誘惑*
「……雪奈……
これ羽織って来なよ!
朝だし寒いと風邪引くから。」
そう言うとルウは私に、
薄手の革ジャンを渡した。
「……ルウ……有り難う。」
「じゃあ行こっか♪雪奈♪」
「……ええ♪……
あ、ちょっと未来に、
電話だけしていい?」
「……ああ……
その方がいいな。笑」
「……もう……また笑う!」
そして私は未来に電話を掛けた。
「……未来様……
おはようございます。汗、、」
「……あー!……
この酔っ払い娘ー!
大変だったのよー!」
「……未来……
ほんとにごめんねー。焦、、」
「……雪奈……
あの後どうなったの?」
「……え?……」
「決まってんじゃ無い~ルウと!
あ、雪奈!
ルウにちゃんと後で、
謝って置きなよ!むしろ、
あたしなんかよりルウの方が、
迷惑掛かってるんだから!」
「……だよね……
うん、後でルウに謝って置くわ。
じゃあ未来ほんとにごめんね?
詳しくはまた会社でね?」
「……ハイハイ♪……
あたしも今からデートだから♪
ってそう言う雪奈は今、
何処に居るのよ?」
「……わ、私は家よ……」
……クックッ。笑……
「まあいいわ!明日ね、雪奈!」
「うん!明日ね、未来様♪」
……私は……
あの夜からずっとルウと、
一緒に居る事など口が避けても、
言えなかった。