嘘つきな唇
第1章 *瞳の誘惑*
「……ほんと綺麗ね……」
「……ああ……幻想的だな……」
「……ええ……」
……そして私達は……
暫く無言で何処までも続く、
蒼い海をずっと見て居た……
「……吸い込まれそう……」
「……雪奈と見てるから……
意味がある気がする……」
「……ルウ……」
……私は……
ルウの言葉が嬉しくて、
不覚にも涙を流して居た……
……ルウに……
気ずかれ無いように泣いたつもりなのに……
やっぱり感のいいルウには、
気ずかれてしまった。
「……雪奈……泣いてるの?……」
「……違う、泣いてなんか……」
……すると……
私が言葉を言い終わらないうちに、
ルウが私の涙に……
……そっとキスした……
……そして……
ルウの唇は迷う事無く私の唇を捉えた……
……私はルウに……キスされて居た……
……長い長いキスだった……
……ルウと初めて交わした……
キスだった……
……やがてルウは唇を離し……
「……雪奈ごめん……」
……と、謝って居た……