放課後は保健室で
第5章 余熱で3分
「うっさい!ほら!」
とんっと肩を押されて廊下にでた私の目の前を、ちょうど担任が歩いていく所だった。
「あれ、柴崎。こんな時間までなにしてんだ」
うわわわ、ちょっとまっていきなり!?
心の準備全くできてないんだけど!!
え―っと足を引きずるってどうしよ!
びっこひけば良いんだよね!?
「あ―先生…」
今日1日の集中力を使って「演技」を試みようとしたとき、ぐっと上から肩を押さえるようにされて前に進めなくなる。
「これはこれは野沢先生!あ―なんか柴崎さん階段で転んでひねっちゃったみたいなんで、念のため僕が家まで送っていこうと思ってるんです」
私の前に出てきた先生は、さっきまでの俺様口調はどこへやら、すっごく丁寧に話している。