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放課後は保健室で

第8章 到着






「私の晴香に手ぇ出さないでくださる?……渡辺啓太くん」




ああ、と思った。




「………ゆ…いぃ……」



凛と響き渡る、きれいな声。


扉の向こう逆光でシルエットになっているその影は紛れもなく私の愛しい友人、結だった。



「うわ、誰このかわいいコチャン」



結が来てくれた。


それだけでもう視界が歪んで。


「渡辺くん、その手を晴香から離しな」



黒くて短い綺麗な髪を揺らして、結がゆっくりと近づいてくる。


「望月…」


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