テキストサイズ

放課後は保健室で

第8章 到着





渡辺啓太の動きが止まる。


奥で響いていた下品な笑い声も止まった。




…ねえ、この音って確か。







「何してるんですか?」



嘘。



だってこの声は。





部屋の入り口にケータイを構えた先生が立っていた。






「せ、せんせー…っ」





ちらり、と先生がこっちを見た。


前髪の向こう、メガネの奥の綺麗な瞳。



「待たせた」


そう、唇が動いた気がした。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ