放課後は保健室で
第8章 到着
二人は目を合わせた後、先生の前後に回り込んだ。
手にはこの部屋の隅に転がっていた正体不明の木材とパイプイスがそれぞれ握られている。
「うわ、はさみうちで武器持ちかよ…汚いなあ」
隣から結の声が聞こえる。
それでも先生は構える事もなく、ズボンのポッケに手を入れて自然体で立っていた。
「俺らをあんまナメてもらっちゃあ困るなあああ゛っっ」
先生の後方、茶髪の男がパイプイスを振りかざし迫っていく。
同時に先生の前方のオレンジ髪の男も木材を持って飛びかかる。
先生に動き出す気配は全くない。
え、ちょっと避けてよ!
二人の武器が先生に当たろうとしたその瞬間。
また、白衣が翻った。