放課後は保健室で
第8章 到着
「センセ、そのケータイ貸してくれたらこの画像消してあげる」
掲げている手とは反対の手を先生の方に向かってのばす。
その笑みが堪らなく憎たらしい。
「わかったわかった。貸すから消せよ」
そう言ってポッケからあのケータイを取り出して渡辺啓太に向かってゆっくり歩いていく。
そのケータイを渡しちゃったらその人たちが私に暴行したって証拠が無くなっちゃうのに…。
どんどん近づいていく2人。
先生の差し出したケータイに向かって渡辺啓太の足が一歩出た。
指が触れた、そう思った瞬間。
「じゃあこれアタシが貰うね」