放課後は保健室で
第8章 到着
え、この声。
2人の指先に集中していた目線を渡辺啓太の頭上にズラす。
「あってめえ!」
さっきまで隣にいた結がいつのまにか渡辺啓太の背後に移動していて、私が写っているケータイを持っていたのだ。
そのままそれを先生に向かってほうった。
「望月さん、やるね」
片手で器用にキャッチしたそれを楽しそうに眺めている。
その先生に向かって歩いていく結。
「あんまナメないでくださいね」
「あっ…」
先生の背後でうずくまっていた金髪君が肩を押さえて立ち上がっていた。
そして負傷してないらしい逆の手で先生を殴りかかっていく。
「えっちょっ危ないっ!」