放課後は保健室で
第9章 保健室で恋をしましょう
先生の肩からちょっとだけ顔をあげる。
こんなにくっついていたら、今のこの鼓動バレてしまってそうで恥ずかしい。
ああ、体があっつい。
でも言わなきゃ。
さっきの一言でもう膨らんでいた風船は割れてしまってるんだ。
深呼吸。
白衣のにおいじゃなくて先生自身のにおいがする。
…このにおい、好きだなあ。
「…先生に女の人が何人もいるのは知ってます。だけど私を側に居させてくれませんか」
ひとつ、息をする。
ちょっとだけ嗚咽が混じった。
「私だけを見てくれませんか」
もうひとつ、息をする。
「先生が、好きです」
どうしよう。
言葉にしたらこの膨らみに膨らんだ気持ちも落ち着くと思っていたのに。
まだまだこんなに溢れてくるの。