放課後は保健室で
第9章 保健室で恋をしましょう
「…結、いろいろ本当にありがとう」
背を向けて歩き出す結に向かって声をかける。
彼女が振り向いてこちらに手を差し出した。
「クリームせんべい」
「さっきと違うし!」
「さっきと違えし!」
あり、ハモった。
思わず先生と顔を見合わせる。
「じゃまた明日」
私の親友は最後にニコッと微笑んで保健室を出て行った。
「…クリームせんべいって、クリームなのか?せんべいなのか?」
「せんべいにクリームがトッピングされてるんです」
「世界は未知で溢れてるな」
「そうですね」
私たちは再び顔を合わせて小さく笑った。