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三角関係ときどき四角

第5章 天国と地獄

足元がおぼつかない裸の千夏を
欲情することも浮かれることもなく
浴衣に着替えさせた。


そして浴衣を着た千夏の前に
背を向けて屈んだ。


「乗って」

「大丈夫……歩けるから」

「いいから乗って」


千夏は仕方ないといった様子で
僕におぶられる。


「……ありがと。それと……
さっきもありがと」


「さっきのありがと」は
食事中の舞彩と陵介くんのキスを
千夏の視界から遮ろうと
やむ無く僕がしたキスのことだろう。

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