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三角関係ときどき四角

第6章 リセット

━━━━━半年ほど前に遡る。


千夏と結婚する前
医師会の慰労会に参加していた僕は
会場近くに住む千夏のアパートに
泊めてもらうことになっていた。


深夜遅くなるということで
千夏から預かった鍵で
玄関のドアを開けると
風呂場の方から吐息のような
息遣いが聞こえてきた。


『ふぅ……ん……んふぅ……』


その吐息の主は
僕の帰りを待ちきれず
自慰行為をしていた舞彩だと決め付け
音を立てずに浴室の扉を数センチ開けると
中の様子をこっそり窺った。

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