テキストサイズ

快盗プリキュア

第1章 チョコレートパニック with マジカルバレンタイン

この最悪な状況を何とかしたい、その力がほしいと香澄が強く思った時、シャンシャンと音がして空にトナカイがやってきた。そう、かつて香澄にサンタクロースの力を与えた聖なる国の聖霊であるトナカイだ。ソリにはバレンタインの妖精であるセントバレンタインを乗せている。

「うわ~、トナカイ来た~」

いきなりのトナカイの出現にプリキュアは盛大に驚く。

「香澄ちゃん、再び聖なる戦士として戦ってもらいたい」

トナカイは香澄にバトンを授ける。

「来てくれたんだ、トナカイさん、ありがとう」

香澄はバトンを受け取るとバレンタインの怪人を睨む。

「セントバレンタインパワー、マジカルア~ップ」

香澄がバトンを振り回すと眩い光に包まれてバレンタインの妖精セントバレンタインの力を授けられた戦士に変身した。

「バレンタインは女のコにとって年に一度の大切な日。それを汚す悪いヤツには、このマジカルバレンタインが聖なる天罰を落とさせていただきます」

盛大に大見得を切ってマジカルバレンタインの大登場である。

「香澄ちゃん、その姿・・」

「美空ちゃんこそ、プリキュアだったんだ。いつもみんなを守ってくれてありがとう。ここは任せて」

キュアアスリートに微笑むとマジカルバレンタインはキッと暴れる男たちを睨んで光り輝く剣を手にする。

「セントバレンタインパワー、チャージア~ップ」

剣は眩いオーラに包まれて光り輝く。

「いっくよ~。はあぁ~、せいや~」

マジカルバレンタインは気合を込めて光の剣を振るって暴れる男たちを斬っていく。光の剣に斬られた男たちは傷ひとつ負うことなく、バレンタインの怪人に植えつけられた悪しき心だけが浄化されていく。

悪しき心から解放された男たちは正気を取り戻して涙を流してマジカルバレンタインを拝むように頭を下げる。

「お、おのれ~」
バレンタインの怪人は怖い顔で威嚇するが、キュアアスリート、キュアアーティスト、マジカルバレンタインも揃い踏みでバレンタインの怪人を睨む。

三人の大迫力に負けてバレンタインの怪人は土下座をして憐れみを求めるように笑顔を浮かべて両手を合わせて拝むようにスリスリする。

「この歳まで一度もカノジョもいたことないし、義理チョコすらもらったことないんですよ~。可哀想でしょ、悲劇でしょ、同情の余地はありありですよね。何卒、何卒寛大なお裁きを~」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ