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バレンタインの怪人の反省もなく自分勝手な言い分を繰り返す姿を見てマジカルバレンタインは怒りが込み上げて拳を握りしめてワナワナと震える。街をあれだけの惨劇に陥れておいて許されるわけもない。

「ふざけんじゃないわよ」

マジカルバレンタインはバレンタインの怪人の頭を掴んで持ち上げるようにして立ち上がらせる。

「二度と、二度と来るな～」

マジカルバレンタインの怒りの拳がバレンタインの怪人をぶっ飛ばして、バレンタインの怪人は雲を越えて大気圏をも越えて宇宙までぶっ飛んで行った。

「おお～っ、ブラボー」
「ワンダフル～」

バレンタインの怪人がやっつけられたことによって元に戻った人々は盛大に拍手喝采を贈る。

「いや～、まいったな、アハハ」

照れ笑いをして頭を掻くマジカルバレンタインをトナカイはジト目で見る。あんなに怒ってたのに調子に乗りやすい香澄の性格に軽くため息を吐く。

「ありがとう、マジカルバレンタイン」

「プリキュアも街を守ってくれてありがとう」

3人の戦士はがっちりと握手をかわした。

「ありがとう、香澄ちゃん。キミのピュアな夢の力はやっぱりスゴいんだね」とトナカイは香澄に優しい眼差しを贈る。

「いや～、それほどでも。こちらこそ力を与えてくれてありがとう。また、会える？」

戦いが終わったということはトナカイたちとの別れの時でもあるから、香澄は寂しげな顔を浮かべる。

「キミがピュアな夢見る心を失わないのなら、きっとまた会えるよ。それまでさようなら。素敵なバレンタインを」

トナカイはソリにセントバレンタインを乗せてシャンシャンと空を飛んで聖なる国へ帰っていった。

涼介は香澄を夜景がキレイな展望レストランに誘った。依頼人のマダムから事件解決のお礼に「カノジョでも誘って行ってらっしゃい」とこのレストランのディナー券をもらったのだ。

「ま、なんだ・・せっかくの券をムダにするのももったいないからな・・」

「そうね。せっかくの券をムダにするのももったいないしね。一応、お礼も兼ねて義理だけど渡しとくわ・・義理だけどね」

香澄は手作りのチョコを手渡した。その豪勢なチョコは気合を入れて作ったのがよく分かる。

「すげぇ豪勢じゃん。ありがとう本命チョコ。香澄にしては上出来だぜ」と涼介は少し憎まれ口め叩きながらも舞い上がるように喜んでいる。