21年愛~これからもずっと
第1章 リアル1章 にの目線
なんか、相葉さんから逃げ回っていた俺は
人がほとんど来ない部屋の前に立ってたんだっけ。
早足で歩いたもんだから、ちょっと呼吸が
乱れて肩で息してた。
追いかけて来んな。
……追いかけて
欲しい……
逃げて来た自分が、嫌になる。
あの、空間にもう一度戻りたくない。
完全な我が儘状態に。
自己嫌悪の嵐。
人もいない、この角の部屋に座り込んで
頭を抱えていた俺。
パタパタと聞きなれた足音が近づいてきた。
俺がこの足音を間違えるはずはない。
まーくんだ。
相「にのぉ~いたぁ」
……。
頭を上げれない俺に。
近づいて来たあいつはさ。
相「どしたぁ?」
甘ったるい、まーくん独特のあの声が
頭の上から降ってきた。
相「にの?」
ふるふると、頭を振りながらそれでも
あいつを見ることが出来なかった俺。
こんな、態度。
有り得ないよな……
勝手に怒鳴って訳わからず飛び出してきた
俺を、追いかけて来てくれたのにさ。
でも、今は顔が見れない。
相「さっきの……」
ってまーくんの声に思わずビクッとして
しまう俺。
なんて言い訳も出来ない。
相「ごめんね?」
!?
突然のまーくんからの「ごめんね」に
心臓がビクッとなった。