21年愛~これからもずっと
第1章 リアル1章 にの目線
顔を上げれないままで、言葉も出てこない俺に。
まーくんはさ。
相「具合悪かったんじゃない?
気付いてあげれなくて、ごめんね。
にの?」
……。
違うのに……
あぁ……でもそうだった。
これが、この人なんだよ。
あの状況で、勝手に切れて出て行った俺を
責める所か、俺の体調なんかを、いちいち
気にしてくれて、挙げ句に。
「ごめんね」
なんて、優しい声で謝ってくれたりして。
まーくんだからだ。
俺が何にも言えずにいたらさ、あの人の大きな
手がさ。
俺の頭にふわっと、乗せられたみたいで。
そのまましゃがみ込んだまーくんに、
よしよしって、髪の毛撫でられていた。
だからさ……そういう事するのがさ。
俺は。
あんたを、意識しすぎてしまうんだよ。
相「にの?」
近すぎる距離であいつの優しい声が響く。
相「大丈夫?」
止めて。
マジで、顔上げれなくなっちゃうから。
まーくんはさ。
俺の事なんか、メンバーで友達。
ただそれだけで、追いかけてくれて心配して
くれて、今こうやって、
俺の頭を撫でてくれてるだけでしょ?
俺の勝手に怒って出て行った理由なんか、
想像も出来ないでしょ?
こんな当たり前のようにしてくれてる
あんたの、今の行動に心臓がキュッとなってる
事なんか、分からないでしょう?
だから、止めて。
苦しくなるだけだからさ。
俺自身も。
こんな、気持ち初めてだから。
頭で処理しきれてないから……