
愛すると言う事…
第1章 episode 1
ベッドの中、目を開ければ見慣れた天井。
ジットリと汗ばんだ身体は、夢の所為。
温かくて優しくて幸せだった頃の夢には、続きがある。
その所為でいつも、寝起きは最悪で湿った身体をシャワーで流す羽目になる。
「…ふぅ…」
パンツ一枚で濡れた髪を拭きながらリビングに戻ったら、携帯がチカチカと着信を知らせてた。
時計はまだまだ陽の昇ったばかりの朝。
薄暗い部屋の中で、カーテンを開けると眩し過ぎて目が眩んだ。
携帯を手にソファに身体を預け、液晶を確認したらどうやらメールを受信した様だった。
【おはよう。
今日は店に出るの?
もし休みじゃなかったら、店に出る前に会いた
いんだけど♪連絡待ってるね!】
朝早くからご苦労な事だ。
…っつうか、学生だっつうの。
まぁ、未成年だなんて知らないから仕方ないか。
返信しようか一瞬悩んで、やめた。
面倒臭ぇ。
店以外で客の事なんか考えたくもねぇよ。
テーブルに転がった煙草とライターを取って火を着ける。
ユラユラと立ち上る紫煙をボーッと眺めた。
あぁ…
学校…行かなきゃ…
面倒臭い…
仕方なく腰を上げて、堅苦しい制服に身を包んだ。
