ココロノソラ
第5章 証。
S side
俺の恋人は、
有名なダンススクールに通っていて
顔も整ってるし、そりゃモテるし
絵の才能もある。
他校の智くんは
毎日学校の門の前で待ってくれてるんだけど
いつも人に囲まれている。
俺を見つけると周りなんて関係なく
” 翔!” って呼ぶから
嬉しいんだけど、陰キャの俺を見て” アイツ待ち!?”
とか聞こえるから結構しんどいとか思う。
「智くん、ごめんお待たせ。」
「そんな待ってないよ。行こっか。」
2人で歩き出し、なんて事無い話をのんびりと。
同じ制服の人がいないのを見計らって
そっと左手に触れる。
するとすぐにぎゅっと握ってくれて
冷えた手が温度を取り戻す。