ココロノソラ
第36章 Black 上司。 2
「おはよう。」
「おはようございます…」
大野さんの腕の中で目を覚ました。
「あれ?」
いつもと景色が違う。
横を向くとお洒落な植物が置いてあったり、大野さんが描いた絵が飾ってあるのに無くなっていた。
というか全体的に物がなく、片付けられている。
「引っ越すんですか?」
「その事なんだけどさ、」
急に真剣な顔になったのでじっと見つめる。
もう俺のこと要らなくなっちゃったかな。
「俺ね、明後日から海外に行くんだよ。海外転勤。」
「海外…」
「だからもう終わり。特別指導とかいってたけど終わりだよ。良かったね」
回されていた腕は解かれた。
せっせと隣で大野さんは服を着始めた。
「嫌です。」
「うん?」
「行かないでください...大野さん。」
精一杯の本音だった。
初めはただ遊ばれてただけだけど、
あんな始まり方だったけど
いざカラダを重ねるを貴方は優しくて遊ばれていることを忘れてしまうほどだった。
いいんですよ?俺がずっと遊び相手でも。
「ふっ...それは無理だなあ。」
「じゃあ俺も行きます。」
「馬鹿いうな。やめとけ」
「行きます!大野さんがいなきゃ...俺!」
感情が荒ぶって鼻がツンとする。
「こんなはずじゃ無かったのになあ。遊びのつもりだったのに。」
「大野さん...」
「潤。好きだよ。今まで無理にヤらせてごめんな?」
大好きな匂い。
この腕離さないで下さい。
「俺も...好きです。大好きです。」
「ちゃんと戻ってくるから。待っててくれるか?」
「勿論です。ずっとずっと待ってます」
誓いのキスは今まで1番幸せを感じた。