ココロノソラ
第37章 Black 上司 2.5
M side
2年の月日が経った。
テレビでしか見た事ない景色、聞き慣れない言語が飛び交う世界に足を踏み入れた。
俺に与えられた時間は1週間だけ。
勿論仕事で訪れた。
出来ることは限られている。
まず最初に向かう場所は街の中心となる大きな広場。
そこに毎朝7時にベンチでくつろいでいる人がいるそうで、その人を見つけるのが目的だ。
朝早いというのにそこそこ人がいる。
思ったより中々見つからない。
もう既に30分は過ぎている。
今日は会えないかな…
一旦ホテルに戻りたいし仕事がある。
今日は諦めることにした。
大丈夫。まだ日はある。
来た道を戻る時もたくさんの人とすれ違った。
その中でふっとラベンダーの香りがした。
もしかして。
「大野さん。」
「えっ……」
やっと逢えましたね。