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ココロノソラ

第21章 運転手と。




「 お疲れ様でした。」




いつもならスマートに降りて車を後にするけど今日は違う。




「 どうしました?」




「 俺さ...」




「はい。」





「 好きなんだよね。」







「はい...?っ...!!」





「 二 · 宮 · の ·こ· と。」




強引に車内に連れ込んで押し倒す形に。



ふふっ、初めて見た二宮の慌てる顔。





「ご、ご冗談を...。」





「冗談じゃないよ。本気。」





「こんなの...許されないことです。」




「それなら振ってよ、俺のこと。」




「それは...。」






「何、出来ないの?」






「 ......。」




なかなか答えを出さない二宮に
何故かだんだんと焦りが募ってくる。




こうなったら、





「 このまま振らないなら俺は二宮にキスをする。拒んだら振ったことと一緒だもんね。
いくよ。」




少し間を空けてゆっくり近づいていく。


二宮は真っ直ぐこっちを向いたまま。




「 翔様 ... 。」




「 ん...?
えっ...」




呼ばれたと思ったら次の瞬間
体勢が逆になった。




「 俺、どんだけ我慢してきたのか知ってますか…。好きだけど翔様にはもっとふさわしい方がおられますし、ましては俺 男だし...。」







顔を真っ赤にして必死さが伝わる。






「 二宮...。」





「 翔様。好きです...。」







ふんわりとした優しいキス。






「 っ...俺もっ...」




嬉しい。嬉しすぎる。







「ふふっ、泣かないで下さいよ...。」








車中での禁断の恋。




それは儚くとも純粋に美しいものだった。






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