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貴方だけを愛してる

第9章 漂う闇は果てしなく

ドキドキと心臓が煩く鳴る

アイツが通り過ぎるまで音は立てられない

アイツに気づかれるわけにも行かない

息を詰めて待つ





アイツが通り過ぎる

もう…大丈夫だ

アイツが出てきた素材庫のドアをゆっくり開ける

他にも人がいるかも知れない

慎重に…

焦らず…

ゆっくりと開け中に入る

薄暗い部屋の中、物が乱雑に置かれていて引っかからないように歩くのが難しい

それでも身を屈めて、音を立てないように…

A「あっ!」

部屋の奥に誰かが壁に寄りかかって座ってるのが見えた

A「にの…?」

小さく呼びかける

カタッと小さな音が鳴った

ゆっくり近づくとはっきりと見えた

その姿は…


A「に…の…なんで…」

壁に寄りかかって座るニノの体はシャツがはだけていて…下は何も履いていなかった

A「なんで!!!!」

思わず大きな声で叫ぶ

N「相葉さん…」

虚ろな目はあの時と同じ

何も写していないような

どこも見えていないような

N「相葉さん…助けて…」

それでも俺を認識するとぽろぽろと泣き出し

N「ふぅ…ぅぅ…ぁぁ!!!!」

手を伸ばす

掻き抱くように抱き締める

小さな小さなニノの体

あの時と同じように冷たくなったニノの体

A「なんでだよ…なんでこんな事に!!!!」

俺の腕の中で泣き叫ぶニノに何を言ったらいいのか

どうしたらいいのか分からず

ただただ抱き締める

A「ニノ…どうして…」

N「助けて…まぁくん…!!!!」

子供みたいに泣き叫ぶニノを抱きしめ呆然とする

終わりのない悪夢はまだニノを苦しめていた



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