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貴方だけを愛してる

第9章 漂う闇は果てしなく

爺「まーくん、自分を責めるのは違うよ?和くんも…やり方は間違っていたけど自分の中でどうにか整理をつけたくてあの事件と向き合いたくて闘ってきた。まーくんは和くんの異変に前回も今回も気がつけた。そして和くんを助ける事ができた」

A「でも…遅いよ…ニノがたくさん傷つけられてたくさん泣いた後だよ?もっと…もっと早くに気がつけてたら…」

S「相葉くん…」

O「先生…いつからなんですか?ニノが男を誘うようになったのは?」

爺「それは…はっきりとは分からない。だけど一年半前から和くんの話の中に出てくるようになったようだ」

O「その前は?」

若「話には出てこなかったよ」

A「若先生…」

若「雅紀…本当にすまなかった。まさかここまでとは気づかなかった。和也の話を聞いていてもどこかふわふわしていて現実味がなかったんだ。雅紀からも楽しそうにしている和也の話しか聞けず、もしかしたら和也の中での妄想なのかもと疑ってた…」

A「若先生…ニノの話してた事って…」

若「もう話すしかないな…」

そこから若先生が話してくれた事はこうだ

まず最初のカウンセリングからニノは自分に起きた事がほとんど認識できておらず、どこか他人事のように話していたそうだ

被害者になった人には多い反応らしく自分を切り離して心を守る行動らしい

そこから自分に起きた事を認知し始めると混乱して叫んだり泣いたり暴れたりして荒れた

俺たちの前では変わらなかったからそんなニノをまったく知らなかった

家でもニノは度々暴れたらしい

あの時逃げていたら

叫べたら

その出来なかった事を責めて暴れるニノを宥めてどうしたかったのかをずっと寄り添い聞き出していたらしい

その後ニノは表面上は落ち着きを取り戻し家でも以前のような落ち着いた悪戯っ子なニノに戻ったそうだ

でも心の中ではまったく違うニノがいて「あの時こうしていたら」「あの時暴れていたら」とずっと闘っていたんだ

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