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貴方だけを愛してる

第9章 漂う闇は果てしなく


若「最初に和也がその計画を話し始めた時はまだ本当に計画しただけのような話し方だった。そして一ヶ月後に来た時もまだ試してみようか…というような話し方で特定の人物が絡んでる様子がなかった」

S「でもニノは相手を見つけていた」

若「そう…そして計画を実行した。でも上手くいかなかった。その事を報告して来たのが半年前だ」

S「実行して上手くいかない事に動揺したのか…」

A「でもそうなると俺たちが気付いた時とニノが先生にうまくいかないと打ち明けたのが同じぐらい?」

若「あぁ…だから雅紀がここに来て話してくれた時我々も驚いたんだ。本当にやり直そうとしてるんだと」

S「でも止め方がわからなかった?」

若「そうなんだ。どうやったら和也の間違いを本人に気づかせられるのか…とりあえず三ヶ月に一回の通院を週一に変えた。でも来たり来なかったり…そんな事をしている間に和也は本当に知らない男性と関係を持って何度も繰り返していた」

S「じゃあニノは一回もやり直すことはできなかったんですか?」

若「いや、抵抗できた時はあったようだ。和也の手首に押さえつけられたような跡があった事がある」

S「誘って…抵抗して…相手も驚いたでしょうね…自分から誘っておいて嫌がるなんて…と」

若「そうなんだよ。相手からすれば合意の上での行為のはずだ。でも和也の思いは違う。だから無理やり押さえつけられ殴られたそうだ」

S「やり直す為に誘った相手に抵抗出来たのに…逃げ切れなかった」

若「計画のほころびにようやく気がついたんだろう。思った事と違う結果にすごく動揺していたよ」


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