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貴方だけを愛してる

第9章 漂う闇は果てしなく

爺「なにか…変わったことはあった?」

その日も変わらずニノのカウンセリングに着いて行ってお爺ちゃん先生とお茶を飲みながら世間話をしていた

A「んーかわんないよ?相変わらず楽しい。ニノは最近親父ギャグ言うのが好きみたい」

爺「親父ギャグかぁ(笑)渋いなぁ」

ここはたくさんの植木鉢があって室内なのに明るくて森みたいだった

病院って雰囲気がなくてお爺ちゃん先生の事も大好きになった

俺としては遊びに来てるって気分だ

A「ねぇ…まだニノはここに来る必要あるの?」

まだニノが通院する必要があるのが不思議だった

ニノは元気で明るくて事件のことは忘れたように無邪気に笑うようになったのにまだ通っていたから

その間隔は週に一回から月に一回になったけど…

爺「まーくん。体の傷は治っていくのが見えやすいよね?でも心の傷は見えない。治ってるか治ってないか…わかりづらい。一見するともう傷が治ったように見えても…それは本当に治ったかはわからないもんだよ」

A「…まだニノは傷ついてるの?」

爺「どうかな〜わからないからここに来てお話しするんだよ。ちゃんと治ってきてるかね?」

A「俺にはわかんない!」

爺「あはは、そーだね。」

ニノは変わらず元気だ

でも…

A「…わかんない。でも…あの頃も元気だったもんね…」

爺「…そうなんだね」

A「うん…誰も気づいてなかったもん。ニノ…演技上手だった…」

爺「だったら今もわからないね?」

A「うん…俺…気付けるかな?ニノがまた嫌なことされてたら…気づいてあげられるかな?」

爺「大丈夫。あの時気付いてあげられたのはまーくんだけだろ?だから大丈夫。もしまた和くんが嫌な思いさせられたらまーくんが気づいてあげられるよ」

あったかくて大きな手が俺の頭をポンポンする

A「えへへへ」

励まされて嬉しくて笑っちゃう

N「相葉くん!」

A「ニノ!終わった?」

N「うん。帰ろ?」

ばいばーいとお爺ちゃん先生と若先生に手を振って病院を出る

N「ねぇゲームセンター行かない?」

A「いいね!インドの達人と決着つけよう!」

N「…また台動かなさいでよ?」

A「そりゃあいつに言え!」

笑い合ってはしゃぎながら歩く道

繋いだ手は離さない

ずっと

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