たね
第1章 憧れの先輩が朝、廊下で髪に触れる。
ズキューンのたね☆いってみよ~
( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
スンスン
「何か良い匂いしねぇ?」
「そうか?」
私の後ろを歩いているこの声は、紛うこと無く…最近めっさ気になる先輩とそのお友達の先輩の声!
クンクン…。別に良い匂いなんてしないけど…?
「この子じゃない?ねぇ君…何か食べてる?」
先輩のお友達が私の左まで来て、声をかけてきた。
「え!?」
私は確かに今朝買ったばかりの新発売、チェリー味のミントタブレットを食べていた。
「これ…ですか?」
私がタブレットを見せると、先輩は凄い食いつきを見せる。人懐っこい人なんだなぁ…。
「うぉ!何これ!?見たことねぇ!なぁ?」
「うん」
私達のすぐ後ろまで、素敵過ぎる先輩も追い付いて来た。
「どーぞ」
「おっ!わりぃねぁりがとぅ…うめぇじゃん!なぁ」
「───うん…」
ん!?
最近気になる、硬派で無口な先輩が私の右に並んだ気がして、そちらを向くと思いの外先輩が近くに居た!
心臓に悪いです先輩!!
「これだ」
先輩は私の髪を一束持って、まるでキスしてるみたいに匂いを嗅いでいる。私は、そのまつ毛の長さとキレイで形の良い小鼻から目が放せずにいた。
先輩が視線を上げて、至近距離で目が合う───
「俺コレ…好きかも」