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貴方の涙は俺が拭くから ON

第33章 言わなくちゃいけないのに2 智



現金なもんで、ニノが怒ってない事がわかると 
少し気分が楽になった

そして 申し訳ないけど、吐き気も治まった気がするのは
ニノが「帰る」と言ったことが 理由なのかも知れない


まだ少し痛い胃を押さえながらゆっくり歩いて
玄関までニノを見送ると いつかと同じように
スニーカーを履いて、
三和土に爪先をとんとん打ち付けてから
ポケットに手を入れて 
首を傾げるようにして俺を見る


その瞳は 何だか悲しそうで寂しそうで。

そんなニノを見るのは辛い
帰したくない
もっと一緒にいたい


・・・そんな気持ちも本物なんだ




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