
貴方の涙は俺が拭くから ON
第33章 言わなくちゃいけないのに2 智
“やっぱり 泊まっていけば?”
ニノもソファーでいいと言ってくれてるし、
それなら俺のこの不調も大丈夫だろう、と
そう言おうとした瞬間
ニノが真面目な顔で真っ直ぐ俺を見た
ポケットの中に入れられていた手が ゆっくり出される
触れられる?
抱きしめられる?
そう思った瞬間、胃がきゅっと締まり、
身体がびくっと反応したけど
ニノの指は 自分のこめかみのあたりをコリコリと掻いただけ
「・・・・・・」
「・・・・・・」
俺の表情を見逃さないニノが 困ったように ふ、と笑う
「何もしないよ」
