
貴方の涙は俺が拭くから ON
第52章 簡単じゃない2 ニノ
「おはよ・・・これ難しいね」
「おはよ・・・俺がやろうか?」
「俺がやるよ、って言いたいけど やっぱり先生にお任せしようかな」
「うん・・・俺が貴方より上手に出来る唯一の事だからね」
「そんなことあるワケないじゃん」
「あるワケあるの。貸して?」
「・・はい 」
何か言いたげにしながらも 大人しくポットを渡してくれるから
バトンタッチして 豆を蒸らしつつハンドドリップを続けた
何か言わなくちゃ、と思うんだけど
何て言えばいいのかわからない
結局 昨日の事には触れないままに
二人してコーヒーを飲んだ
