WーWING
第1章 はぁ~
だが、前から風が吹けば、ツルンとしたゆで玉子のような額がむき出しとなる。
行きは転がるように進むため、楽に行けるのだが、帰りはとにかく苦しい。
汗だくになりながら、子供でも楽しく走りすぎるほどの緩い坂を歩いていると、突然バシーーンと、背中に衝撃が走った。
背中も分厚い肉でおおわれてはいるが、面積が広い分、受けるダメージはまともだ。
「おわっ!!」
驚いたのと同時に、フワンといい香りが鼻腔をくすぐる。
タッタッタッと、軽い靴音をならし、ヒラヒラとした赤と緑のチェックのミニスカートが目の前で踊る。
「あ〜にきっ!! いま、帰り?」
後ろから走ってきたのは、高校1年の妹「美晴(みはる)」だった。
「なんだよ、後ろからいきなり……」
「帰ってきたから声かけたんだよっ!! じゃあ、おっさきぃ〜」
美晴は肩まである茶色い髪を振り、ピンクのボンボンと琵琶湖のゆるキャラ「ふなずし〜」のマスコットをぶら下げたカバンを持って、家までかけていった。
隼斗は、美晴の後ろ姿をジッと見送った。
「水色のブラジャーが透けてるぞ……」
行きは転がるように進むため、楽に行けるのだが、帰りはとにかく苦しい。
汗だくになりながら、子供でも楽しく走りすぎるほどの緩い坂を歩いていると、突然バシーーンと、背中に衝撃が走った。
背中も分厚い肉でおおわれてはいるが、面積が広い分、受けるダメージはまともだ。
「おわっ!!」
驚いたのと同時に、フワンといい香りが鼻腔をくすぐる。
タッタッタッと、軽い靴音をならし、ヒラヒラとした赤と緑のチェックのミニスカートが目の前で踊る。
「あ〜にきっ!! いま、帰り?」
後ろから走ってきたのは、高校1年の妹「美晴(みはる)」だった。
「なんだよ、後ろからいきなり……」
「帰ってきたから声かけたんだよっ!! じゃあ、おっさきぃ〜」
美晴は肩まである茶色い髪を振り、ピンクのボンボンと琵琶湖のゆるキャラ「ふなずし〜」のマスコットをぶら下げたカバンを持って、家までかけていった。
隼斗は、美晴の後ろ姿をジッと見送った。
「水色のブラジャーが透けてるぞ……」