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WーWING

第1章 はぁ~

 隼斗とは、兄妹とは思えないルックスとビジュアル。


 162cmと、兄よりも身長がある。少しつり上がった、いじわるっぽい目付きにキリッとした口元。隼斗としても、美晴は自慢の妹だ。


 汗だくになりながらも、やっと家の前に到着。だが、隼斗に言わせれば、まだ玄関は八号目である。


 頂上への道はまだ遠いのだ。


 家の扉を開ける。


 目の前には二階に上がる階段と、短い廊下が見える。


『ダンダンダンダンダンダン』 


 階段を下りる音が耳につく。


「えっ!? 兄貴、いま帰ったの?」


 美晴だ。


 ダブダブっとした白いシャツにデニムのショートパンツ。


 隼斗が帰ってくる間に、制服から私服に着替えていた。どこかに遊びに行くようだ。


「どこに行くんだ?」


 隼斗が聞くと、美晴はそそくさと、白いスニーカーをはいた。


「友達と会ってくる!! 母さんに、ご飯いらないって言っといて」


 そう言い残すと、走るように出ていった。


「嘘つけ、彼氏とハァハァするんだろ……」 


 隼斗はため息をついて、靴を脱いだ。


 ここから、二階の部屋までの登山がはじまる。

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